Entries

某月某日



 もし自分の親が認知症などで介護が必要になったら、病気の症状や介護のことで親を憎んでしまったら、記憶が失われ私のことを忘れてしまったら。私の親は両方とも元気にしているので介護への不安は尽きません。経験された方の話を聞いているとそれは突然始まり生活が大きく変わってしまう、ということはわかる。やらなきゃいけないことがたくさんあってものすごく忙しくなって辛いこともいっぱいあって、経験しないとわからない。経験した方も、もしまた次があればそれは以前と違うこともあると思う。レビー小体型認知症は幻視や幻聴の症状がある認知症です。『話す犬を、放す』熊谷まどか監督はお母さまがこの病気と診断されたことがきっかけになって脚本を書いたそうです。監督のお母さまにも過去の記憶と結びついたものが見えたり聞こえたりしたのだろうか。そのときに、映画みたいだなって、監督はちらりと思わなかっただろうか。映画は見えるはずのないものが見えたり、聞こえるはずのないものが聞こえたりする表現でもあるからです。きっと数多くのご苦労をなさったでしょうからそのような感想を持つのに申し訳ない気もいたしますが、見終わったときにそう感じました。母親の介護という避けられない事態となり、娘はそこで自分自身と真剣に向き合うことができ、過去の家族の秘密も明らかになり、互いに何かが吹っ切れた?母と娘。演じる田島令子さんとつみきみほさんがほんとうの親子のように見えました。
 先週末から公開がスタートし、初日に熊谷監督が舞台挨拶にお越しくださいました。揚げ饅頭のお土産と共に。ありがとうございます。美味しくいただきました。(t,t)

Appendix

プロフィール

cineaste

Author:cineaste
ここは名古屋シネマテークの事務所です。
仕事中は資料で散らかっているデスク。
そのまん中、誰からも手が届くところにかかさず置かれているのがおやつです。
周囲は美味しい飲食店に恵まれた今池ですが、なにかと時間に追われ、外へ食事に出ようにもままなりません。
持ちこんだり、差し入れで頂いたり、出張の手土産だったりする由来さまざまなたべものをいつも視界の端にしのばせて、今日も営業中。いらっしゃいませ!